「ほくそ笑む」の「ほくそ」とは何か

ボードゲームをやっていて「今ほくそ笑んでる人がいるんだろうなあ」などと発言したら「そういえば『ほくそ』って何だろう」という話になった。

さっそく手元の辞書に相談。

まずそもそもの「ほくそ笑む」の意味は

物事が思い通りの結果になったことに満足して,一人ひそかに笑う。

大辞林

物事がうまくいったとひそかに笑う。ほくそわらう。

広辞苑 第七版

ですね。

ちょうどゲームをやっていて、誰かのプレーによって自分が期待した状況になったときに心の中で「にやり」とするやつ。

では「ほくそ」とは何か。

「ほくそ」は「ほくそう(北叟)」の転で,「塞翁が馬」の達観した北叟(=塞翁)が喜憂いずれに対しても少し笑ったという故事によるともいわれ,「ほくそ」に「北叟」の字も当てられる

大辞林

思ってもみない人物が出てきた。「人間万事塞翁が馬」の塞翁。

塞翁が馬といったらあれですね、馬が逃げて不幸かと思ったらその馬が別のいい馬を連れてきて幸福かと思ったら息子がそれに乗って落馬してケガをして不幸かと思ったらそのおかげで兵役を免れてよかった、というお話ですね。

ええこととよくないことは裏表だし何があるかわからんよね、という意味だと思ってるんだけどあってますか。

良くないがあったら「これが福につながるかもしれんよ」と言い、良いことがあったら「これが災禍につながるかもしれんよ」と言う、何か達観した感じのこの人が塞翁 == 北叟(ほくそう: 北の方のおじいちゃん)として出てくる。

なるほどそういう人が何があっても少しだけ笑う、という話から「ほくそ笑む」になったというのは何かわかる気がします。

ただ「一説に(広辞苑)」「ともいわれ(大辞林)」とのことで、例によって「諸説あり」ですけども。

「あばよ」の語源は何なのか

友人と話していて「あばよ」という言葉を久しぶりに聞いたんだけど、そもそもこれはどこから来た言葉なのか調べてみた。

結論から言うと「諸説あり」としか言いようがない感じ。

まずは Mac の Dictionary.app に入っているスーパー大辞林から。

〔「さあらばよ」「さらばよ」のつづまったもの〕
別れの挨拶(あいさつ)の言葉。「さようなら」よりくだけた言い方。

だそうです。

続いてウェブサイト由来・語源辞典から。

「さらば」をまねた幼児語「あば」「あばあば」の「あば」に終助詞「よ」がついたものとされる。

あばよ とは – 由来・語源辞典

他の説も載ってるんだけど「ものとされる」って言ってるからここではこの説を採ってるんだと思います。

ところが語源由来辞典ではこれが否定されていて

あばよの語源には、「あばあば」という説もあるが、「あばあば」はあばよの幼児語として使われていただけである。

あばよ – 語源由来辞典

「あばよ」が先にあってそれが「あばあば」になったんだから順番が違う、とのこと。

こちらの説では

最も注目されている語源は、「按配よう(あんばいよう)」の略語という説である。 「按配(あんばい)」は「体調」の意味で近世から使われており、あばよも近世から使われている言葉であるため、意味と語形の両面からみて、この説が妥当とされている。

「按配よう」が妥当とされているようです。

けどまあどれも「有力」だったり「妥当」だったり「注目」だったりして、「これだ!」と断言するのはなかなか難しそう。

他の説が見つかったりどれかが確実になったりしたら追記すると思うけど、今日のところはここまで。

あばよ。